
2021年12月22日の TEC MTCTEスキーム についてのウエビナーで使用したスライドと説明の概要を掲載しています。

TEC は、Telecommunication Engineering Centreの略称です。
Department of Telecommunications Ministry of Communications Government of India である通信省が管轄する技術機関であるとの位置づけです。
MTCTEは、Mandatory Testing and Certification of Telecommunications Equipmentの略称です。Certificationとありますので認証です。
この認証スキームは法律に基づく、強制認証となります。
スライド右側のマークがMTCTEの認証マークです。形状や色が定められています。この他にもエレメントとして認証マークの上や下に追記が必要な事項もありますが、ロゴデザイン図なので省略されています。

Notification – Mandatory Testing and Certification of Telecommunications Equipmentが2021年9月に発行されました。
この通知により、Phase III および IV として規制対象となる製品が公示され、同時に、示された製品への認証スケジュールが明確になりました。
Phase I および II として示されていた製品は既に強制化されています。


こちらのスライドでは、申請のポイントを説明しています。
AIRは、インドに存在する会社で輸入者が想定されています。AIRが申請者となります。
TECの認証要件を決めるコミッティーのメンバーの方に確認しましたところ、AIRの要件は、基本的にインドに存在する会社であれば現地代理人になれる資格があるとの回答でした。この点は、BIS/CRSのAIRに関する規定とは異なっています。
申請して認められれば、製品へのマーク表示が必要となります。
認証書には5年の有効期間が定められていますが、更新には試験は不要です。

TECによって指定された試験所において、機器ごとに定められた ER (Essential Requirements) に適合していることを確認します。
ERには、安全とEMCおよびセキュリティ ー 情報セキュリティやネットワークセキュリティなど ー および技術要求が含まれています。
技術要求とは仕様と考えることもできます。

安全とEMCはインドの指定試験所での試験が必須です。
セキュリティと技術要求の試験は、ILACで認められている試験所が発行した試験レポートも認める時限措置が導入されています。

問題は、全ての試験ができる試験所が存在しないことです。
従って、申請では、製品に応じた試験項目を明らかにすることとその試験を行える試験所を複数予約することが必要になるため、試験所選択がポイントとなります。
スライド右側は、SIMのERの表紙です。
SIMも対象品目ですので、仮に本体製品は対象品目でないにしても、認証品のSIMを使用しなければならないためMTCTEスキームの影響は大きいと改めて感じます。

タイムラインはスライドのとおりです。
Phase I と II については、強制化の日は過ぎています。
Phase IV については、年明け(2022年)にも安全とEMCが強制化されますので、対象製品に該当する場合は速やかな準備が必要です。
【注記】
Phase IV の Safety & EMI/EMC 強制化は、5ヵ月延期され、2022年7月1日になりました。
Phase III については、7月で完全に強制化される予定です。

SCS (Simplified Certification Scheme)
申請者は、SDoCの提出が求められます。
GCS (General Certification Scheme)
申請者は、指定されたCABもしくはMRA締結国の承認されたCABからの試験レポートの提出が求められます。

一点補足としまして、WPCの規制とどう違うのかについて説明します。
実話TECもWPCも同じ通信省の傘下ですので、規制を統合すれば良いようなものですが、TECの認証要件を決めるコミッティーのメンバーの方に確認しましたところ、規制する対象が異なるのでそれらは違うものでありこの先も並存するとの回答でした。
一部の試験レポートの使い回しはできますが、結局は異なる申請を行う必要があります。
制度はともかくとしても、事務処理の統合は期待したいと思います。